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安藤美姫とマリア・シャラポワ

安藤美姫17歳 ’06トリノ五輪へ/16

 c0065429_5412043.jpg◇「しなやかに」肉体改造

 床に座って胸の前で両足のかかとをくっつけながら、上体を前に倒す。「キャー、イタタ、痛いよー」。安藤美姫の顔がゆがむ。米クリーブランドに戻ってから、五輪シーズンに向け、肉体改造に乗り出した。

 安藤の切れ味良い演技を支えているのが、しなやかな筋肉と瞬発力だ。高い評価を受けつつ、「体が硬いんですよね」と、足りないものも自覚している。

 3月の世界選手権が終わって、アスレチックトレーナー、吉永孝徳(39)の指導を受けた。長年、プロ野球やアメリカンフットボールの選手の体を見ている吉永は、弾力性に富む安藤の筋肉に驚く。一方で、股関節(こかんせつ)を柔らかくすることを最優先課題に挙げる。

 「力で体勢を作ってしまっているところがある。うまく使えていない体の部分を生かすことができれば」。渡米前、吉永は20種類のトレーニングメニューを授けた。大人の女性が持つ優雅さやエレガントさを体現する--。新境地に挑む安藤にとって、体の柔軟性を高めることは欠かせない。

 ジャンプやスピンなどの各要素を三つのレベルに分けてポイント化する新採点方式が、04~05年シーズンに本格導入された。後方に上げた片足を頭上でつかんで回転する大技「ビールマンスピン」の場合、安藤は力で無理やりという印象がぬぐえない。柔らかな関節を生かし、体をしならせることが出来れば、新プログラムも円滑に進む。

 当初、半分もこなせなかったメニューは徐々に種類を増やしていく。「真っ白なところに、少しずつ美姫の色を入れていければ」と臨んだ北米生活。心・技・体の高まりを感じながら、1カ月が過ぎた。=敬称略=つづく<文・張智彦/写真・貝塚太一>

毎日新聞 2005年6月2日 大阪夕刊
by markzu2B | 2005-06-03 23:42